≪全国屈指のフィールド≫ 笠置山クライミングエンリアであそぼう

(写真)笠置山クライミングでは、全国からクライマーが訪れ、
さまざまな課題をたのしんでいる
笠置山の中腹には、昨年オープンしたクライミングエリアと呼ばれる岩登りを楽しむ場所があります。
オープンと同時に、同エリアは「恵那笠置山」として、全国のクライマーから熱い視線が送られています。一年間の来場者数は、約3000人。首都圏や愛知県を中心に、遠くはカナダからクライマーを集める一大エリアに成長しました。これは、笠置山にある岩が程よい硬さと手ざわりで、クライマーにとって魅力的な上、地域住民が中心となって、手作りでクライミングエリアを整備したことによるもの。
昨年6月14日のオープンから一周年を迎え、7月25日には記念イベントも開催され、約100人がボルダリングを楽しみました。
今回は、地域の人によって整備されたクライミングエリアと、平成24年度に開催する岐阜清流国体の正式種目で、人気が上昇中のスポーツのボルダリングについて紹介します。
□問い合わせ 笠置振興事務所電話番号0573-27-3155
■きっかけは2年前に
ボルダリングは、もともとはこの地域には縁がないものでした。そのエリアを整備するきっかけは、2年前のことです。地域のクライマーがプロクライマーの小山田大さんに笠置山の岩を紹介して、このエリアの素晴らしさが認められました。そして、所有者の笠置財産区に、エリアの開拓と公開について話をしました。
地域では以前から、笠置山で登山道の整備やヒトツバタゴの管理を行ってきました。さらに、まちづくりの試行を重ねていたところに、いいタイミングでこの話がありました。地域の人々は、ボルダリングを知ることから始めようと、先進地に視察へ出掛け、全国から集まるクライマーを見て、笠置町の観光に新しい可能性を感じました。
その後、協議を行い「クライマーが楽しめるように」と、エリアの開拓と整備が始まりました。

(写真)岩登りを楽しむクライマー
■観光資源として開発
ボルダリングは、エリアを開拓し、ルート設定しないと楽しめません。
視察で見た先進地は、立地も良く、駐車場も近くにありました。しかし笠置山には、駐車場も無く細い林道があるだけで、非常に条件が悪いものでした。そこで、受け入れ体制を整え、1年かけてルートの開拓とエリアを整備。エリアの公開に向けて、市観光協会笠置支部や笠置町振興会、財産区議会などの多くの団体が協力をして、平成20年12月に笠置山クライミング協会を設立しました。エリアを、笠置町の観光資源として開発し、一人でも多くのクライマーに来てもらうため、地域全体で受け入れ体制を整えていきました。
ルートの開拓は、プロクライマーの小山田さんが行い、協会員は全国から訪れる人たちのため、最低限のことをしようと、環境整備を行いました。

(写真)笠置町の入口である笠置橋付近の看板は、笠置町のPRとしてプロクライマーの小山田さんも一役買っている
■エリアの周辺も整備
地域の主な活動内容は、エリアの周辺整備です。エリアオープンに向け、案内看板を設置し、約50台分の駐車場や水道も整備。クライマーが、エリアで困るというトイレも2カ所に設置しました。一般の方でも気軽に楽しめるように、人口壁も整備して、平成21年6月にオープンを迎えました。将来的には、滞在しながら楽しめるように、キャンプ場の整備も予定しています。

(写真)エリア入口には、山水を利用した水道も設置された

(写真)整備されたトイレと駐車場、案内看板
ボルダリングとは…
クライミングの一種で、ロープなどの確保道具を使わずに、岩(ボルダー)や、人工壁を登ること。自身の体と技術で登るボルダリングは、クライミングの基礎的な要素を多く含んでいる。
◆さあトポを持って出かけよう

(写真)トポとは、岩ごとに設定された課題を登るためのガイドブック。当エリアは、笠置クライミングクラブが発行している。一冊1,050円で販売され、売上金の一部はエリアの整備のために使われている。笠置公民館や笠置振興事務所などで取り扱っている
■初登者に命名の栄誉
ボルダリングは、岩ごとに課題があり、ルート別に難易度が違います。笠置クライミングクラブが作成したトポを参考に、岩登りを楽しみます。
道具は、大げさなものは必要ありません。チョーク、靴、クラッシュパッドがあれば十分です。ただし、ボルダリングは、自然の中のスポーツ。経験豊かな人と一緒に出かけ、安全には十分注意してください。
トポには、それぞれの岩の名前、課題(ルート名)とグレードが表示してあります。グレードは次ページのグレード一覧表のとおり10級から6段まで分かれています。岩の名前は、初めて完登した者のみが付けられる栄誉です。
次に、主な内容を紹介します。
スタート 両手でしっかりホールド(突起物)をつかんで始める。座った状態で、両足、両手をかけてスタートするシットスタートもある。
ゴール 完登して、岩の頂上で立ち上がること。人工壁では、ゴールに設定されたホールドを両手でつかんでゴールとなる。
完登 決められたスタートから登って、ゴールするまでひとつのルートを登りきること。
オンサイト 他人の登りを見ないで、初めてのトライで完登すること。


(写真)笠置山特有の急傾斜にあるナナメジ岩と挑戦するクライマー

(写真)トケビ岩

(写真)ルーフルールの岩

(写真)エルの岩

(写真)カタール岩

(写真)トンネル岩

■ボルダリングの必需品
クラッシュパッド

(写真)ボルダリング用で衝撃を吸収するためのもの。安全確保のため落下予想地点に敷く。
シューズ

(写真)多くのタイプがあるが、履き心地を優先する。サイズは、足の先が少し曲がるものを選ぶ。
チョーク

(写真)手に直接付ける滑り止め。岩に付いたチョークは、登った後に落とすマナーも大切。
■受け入れ体制が発展
笠置町には、まちづくり実行組織として笠置町活性化委員会があります。その中の産業振興部会で観光資源を開発しています。ボルダリングは、地域全体の観光資源と位置付け、地域を上げて支援しています。
エリアオープンの1周年を記念して、7月25日に、笠置山クライミング協会が、新しいエリアを発表。新エリアは、「猪まちエリア」といい、約2・1ヘクタールの広さに35カ所の岩場が選定されています。これは、魅力的なルートを設定して、全国から集まってくるクライマーに、良好なエリアを提供するためです。
合わせて大切なのは、地域の人たちがクライマーを温かく迎え入れるという意識作りです。地域がクライマーを受け入れるために、ボルダリングを知るためのPRも行っています。笠置公民館に人工壁を設置して公民館講座の開催や、やまびこ保育園児を対象に、人工壁でボルダリング体験も行い大好評。7月25日には、ボルダリングの上映会や写真展示、人工壁の一般開放も行いました。
「クライマーは、マナーもよくあいさつもしてくれ、ごみも持ち帰っています。最近は、かえって山がきれいになったようだ」とよい効果が現れています。人とエリアの受け入れ体制が、確実に発展しています。

(写真)6月10日に行われたやまびこ保育園児のボルダリング体験。高さ約3メートルの人工壁に挑戦した。はじめは慎重に手を伸ばしていたが、慣れるとゴールする園児も登場
◆インタビュー その1
●石原甲喜(いしはらこうき)さん
平成20年12月から笠置山クライミング協会の初代会長に就任しボルダリングエリアの公開に携わる。平成21年2月から笠置財産区議長を務めている

■大反響にびっくり
2年ほど前に、クライミングエリアの開拓と公開について話がありました。まちづくりの思考を重ねていたときでしたので「若い人が、ボルダリングを通じて笠置の地を訪れ、定住してくれれば、地域も活性化するのでは…」とボルダリングを通じたまちの活性化を理想に、当時の笠置財産区として、2つ
返事で了解したことを憶えています。その後笠置クライミング協会を立ち上げ、エリア周辺の整備を行いました。
当初は、山が荒らされないかとの不安の声もありましたが、今までに、そのようなトラブルは一件もありません。クライマーの自然保護の意識と、マナーの良さに驚いています。
皆さんにも、ボルダリングとこのエリアを知ってもらおうと、公民館講座を開催しました。昨年は親子で約50人が参加、ことしは大人限定でも20人の参加と反響の大きさにびっくりしています。
わたしたちは、エリアの環境整備を含めて、訪れやすい雰囲気をつくることを目指しています。さらに、地域の交流人口の拡大も期待しています。もっとクライマーと地域の交流ができるようにしたい。そのために、エリアを広げ、全国的にPRを行っていく必要もあります。この活動を行うために、1回300円の入山協力金をお願いしています。地域の宝として、整備しているクライミングエリア。安全とマナーを守って楽しんでほしいです。
2年ほど前に、クライミングエリアの開拓と公開について話がありました。まちづくりの思考を重ねていたときでしたので「若い人が、ボルダリングを通じて笠置の地を訪れ、定住してくれれば、地域も活性化するのでは…」とボルダリングを通じたまちの活性化を理想に、当時の笠置財産区として、2つ
返事で了解したことを憶えています。その後笠置クライミング協会を立ち上げ、エリア周辺の整備を行いました。
当初は、山が荒らされないかとの不安の声もありましたが、今までに、そのようなトラブルは一件もありません。クライマーの自然保護の意識と、マナーの良さに驚いています。
皆さんにも、ボルダリングとこのエリアを知ってもらおうと、公民館講座を開催しました。昨年は親子で約50人が参加、ことしは大人限定でも20人の参加と反響の大きさにびっくりしています。
わたしたちは、エリアの環境整備を含めて、訪れやすい雰囲気をつくることを目指しています。さらに、地域の交流人口の拡大も期待しています。もっとクライマーと地域の交流ができるようにしたい。そのために、エリアを広げ、全国的にPRを行っていく必要もあります。この活動を行うために、1回300円の入山協力金をお願いしています。地域の宝として、整備しているクライミングエリア。安全とマナーを守って楽しんでほしいです。
◆インタビュー その2
●小山田大(こやまだだい)さん
世界を舞台に活躍している日本を代表するプロクライマー。笠置山の質の高さを認め、エリア公開に向けてルートの開拓、全国的に紹介するなど笠置山クライミングエリアの発展に大きく寄与している

■まずやってみよう
わたしは、もともと山歩きが好きでした。そこに岩があり、登ったら楽しかった。中学生のころから、本格的にクライミングを始めました。
ボルダリングの魅力は、一人でできるので、自分のペースやレベルでできること。また、ほとんど道具を使わないので、手軽にできます。
笠置山の岩は、非常に岩質が高いです。これは、程よい硬さとフィットした手や足がしっかりと踏ん張れること。90度以上に傾斜した(オーバーハング)岩が多いことです。現在のボルダリングは、オーバーハングした岩の課題を攻略することが多く、このボルダリングに合う岩が非常に多いです。また、エリア全体としても素晴らしい。これは、地域や行政がバックアップしていることが大きな理由。ほかのエリアでは無いことです。迎え入れる体制は、トップクラスです。わたしが知る限り、駐車場やトイレを整備した前例はありません。とても感謝しています。 ボルダリングは、筋肉が必要と思うかも知れませんが、実は身軽で、バランス感覚のある人に向いています。子どもからお年寄りまで楽しめる気軽なスポーツです。そして、興味を持ったらまずやってみましょう。市の講座などで、ボルダリングを体験してみてください。専門的な知識を学べば、もっと楽しく始められることができます。
エリアは、ハイキングしながら、見学するのもお薦めですよ。
危険もあるので注意が必要
自然の中で行うボルダリングは、危険を伴うスポーツでもあります。初心者同士での入山を控えることや、危険を感じたら無理をしないなど、安全には十分注意してください。また、多くの方が訪れるエリアですので、次のルールやマナーを守って、楽しいボルダリングとしてください。
・入山受付所で入山記録簿に記帳し、入山協力金300円をお願いします
・指定された場所以外では、駐車をしないでください
・トポに記載されたエリア以外では、登らないでください。特にペトログラフの岩は、絶対登らないでください
・植林された樹木は、伐採禁止です。雑木などの伐採は事前に連絡をしてください。

(写真)笠置公民館で行われている公民館講座の様子。女性の姿も多い。体全体を使うことがポイント。腕力のみに頼るのではなく、ハシゴを上る感覚で手と足を交互に出していく。体全体を使うので、体が引き締まって、ダイエットにも効果があるといわれている
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