その時のために何ができますか

(写真)地震によって倒壊した家屋。写真は平成7年に発生した阪神淡路大震災のもの
東日本大震災のような悲惨な災害「震災」。今こそ私たちは、震災で起きるさまざまな問題を自分のこととしてとらえ、真剣に考え、行動する時です。あなたの家族や地域では、地震への備えができていますか。
ここでは、私たちが地震対策として、取り組んでいることやすべきことを再度、確認していきます。
□問い合わせ 防災情報課 電話番号0573-26-2111(内線316)

市内に3つの断層が走る
上の写真から分かるように、地震は多大な被害をもたらします。阪神淡路大震災や東日本大震災のように、本市でも、いつ想定外とも言える巨大地震に襲われるか分かりません。
本市に大きな被害をもたらす地震は、海溝型の東海・東南海・南海地震と断層型直下地震が予想されます。
東海・東南海・南海地震は、静岡県から西日本にかけての太平洋沖のプレートで発生する地震です。この3つの地震が連動して起きたときに、本市の想定震度は、明智町や串原、上矢作町を中心に、最大震度が6弱になると予想されています。また、地震の市内の被害状況は、
次の表のように予想されています。
市内の活断層は、右上の図のように、市内に赤河断層や屏風山断層、恵那山断層の3つが走っています。これらは、過去に動いた形跡が認められる活断層です。このうちのどれかが動けば、市内は直下型で最大震度7の地震が発生する恐れが十分考えられます。その被害は、複合型東海地震の想定を大きく上回ることも想像できます。

(写真)城ヶ丘保育園で行われている避難訓練。地震を想定した訓練を全園児対象に行う。
地震に向け減災の準備を
防災の基本は、最悪の事態を考えることから始まります。突然襲いかかる「震災」。日ごろから、地震が発生してからの状態をイメージしておくことは、地震対策を行う上でとても重要なことです。
地震は、自然現象なので止めることはできません。しかし私たちは、「減災」に向け準備を進めることはできます。「起きたときのためにどうすべきか」また「起きてしまったらどう対応すべきか」を考え、被害を少しでも少なくするために、個人や地域、自治体などが一体となった準備には何があるでしょうか。
これらの取り組みを次ページから詳しく紹介します。
◆意識 市民の取り組み・身近な災害予防(自助、共助)

(写真)長島町永田地区で行われたDIG訓練
自分でできる地震対策
不測の事態の震災。地震は、起きたとたん、死亡やけがに結びついてしまいます。命が無ければ、大切な家族や友人、知人を助けることも守ることもできません。災害時は家族全員が一緒だとは限りません。まずは、自分自身の命を守ることが第一なのです。
次のような「正しい知識と備え」は、身を守る一助になります。
・住宅耐震診断を受け、耐震補強工事を行う。(市には無料耐震診断や約80万円までの助成制度があります)
・家具の転倒防止を行い部屋の出入口に物を置かないこと、風呂水をためておくことなどに気を配る。
・家の危険箇所のチェックやガラスに飛散防止フィルムを張ったり、ガスボンベを固定したりする。
・持ち出し品と置き場所を決める。
・飲食料は、最低3日分を準備する。
・家族で、連絡方法や避難場所を決めておく。
今日から、自分の命は自分で守る「自助」を家族で話し合ってください。
自主防災隊で立ち向かう
人の命に関わる救助活動などは、災害発生時から72時間以内が勝負といわれています。
平成7年に発生した阪神淡路大震災で救助された人の約98パーセントは、家族や近所の人の手によるものでした。 地域が協力して互いに助け合う「共助」。それを形にしたのが自主防災隊です。被害を最小限に食い止めるため自主防災隊は、平時に訓練を行い、災害時には公的機関の到着を待つのではなく、地域みんなで災害に立ち向かう組織です。
市内の自治会単位の自主防災組織率は、約77パーセントとなっています。
避難所選定にDIG訓練
7月10日にアグリパーク恵那で、長島町永田地区の自治会関係者による、DIG(災害図上)訓練が行われました。
「災害が起きたときには、橋を渡るのは危険だ。できる限り橋を渡らずに避難できる場所を探そう」「アグリパーク恵那の向かいの山は、急傾斜だ。災害時には、近づかないことが大切だ」などと真剣な面持ちで地図上に危険箇所を次々チェック。その後、自治会長は、1次避難場所となる安全な避難場所を選定します。その過程でも「空き地は、宅地でもよいのか」「たしかここに、家が建っていない空き地があるはずだ」などと地域の実情を踏まえた議論が続いていました。
ことしは、市内13地域でDIG訓練を行っています。地域では、DIG訓練を利用して避難所の選定なども行っています。
主な内容は、自分の地域の地図を使い、地図上に川や道路、過去に災害が起きた箇所、現在危険な箇所などをペンで塗りつぶしながらグループ内で議論するもの。地震発生後を想定して地域の防災力や災害への強さ、弱さを認識します。
今、地域で、訓練が行われています。1人でも多くの市民が自分の地域の状況や危険な箇所を知ることにより、避難場所や安全な避難ルートが理解できます。
まちの安全を守る消防団
現在、市内には13分団からなる市消防団があります。団員総数は1210人。消防団は、専門職ではなく、地域住民で構成されている消防機関。普段は、それぞれ仕事がある一市民です。
しかし災害時は、昼夜を問わず救助活動や警戒巡視を行い生命や身体、財産を守ります。また、いざというときのため、防災訓練など地域と連携した現場活動訓練や救命講習の受講など応急処置を学んでいます。
普段はやさしいお父さんやお兄さんが、災害時には頼れる「まちの守り人」になります。
防災訓練へ参加を
地域で行う防災活動で、中心的なものに市の防災訓練があります。
この訓練では、地域が中心となって1次避難所に集合した人のリストを作成します。災害時には、このリストを基に、自主防災隊や消防団などが不明者の捜索や救助を行います。この避難者の情報が、災害時には大変重要になります。
年に1度の防災訓練に、皆さんぜひ参加してください。
【主な持ち出し品一覧】
・食料(かんパン、飲料水、缶切り、紙皿など)
・携帯ラジオ、懐中電灯、予備の電池
・医薬品(ばんそうこう、傷薬、包帯、胃腸薬、鎮痛剤など)
・免許証、健康保険証、各種権利証書など
・現金(10円硬貨)、預金通帳
・衣類、生活日用品(衣服、タオル、洗面用具、下着)
・雨具、軍手、ヘルメット、防災ずきん、マッチなど
●インタビュー

宮城県への災害救援ボランティアに2度参加。
棚橋俊季さん(長島町)
互いに支え合う関係が大切
多くの人が支援を行っている中で、私も、何かしたいと思い参加しました。
私たちの作業は、主に泥とがれきの撤去。知らない人たちと一つの目的に向かっての作業です。私自身、充実感もあり、刺激も受けました。被災地の方の「ありがとう」の言葉も励みになりました。
いざというときには、互いに支え合う関係が大切と感じました。
●防災訓練は9月4日(日曜日)午前8時から
◆準備 地震に備える・市が行う予防策(公助)

(写真)県のドクターヘリと市立恵那病院、市消防本部が連携しての患者搬送訓練
災害時は対策本部を設置
市では、震災に備えさまざまな対策に取り組んでいます。
中でも災害対策本部は、市の災害対策の中心的な組織となります。市内で震度5強の地震が起こると市役所会議棟に災害対策本部を設置。市長が災害対策本部長となって、市の職員全てを招集して、災害の対応に当たります。被災した地域の振興事務所には、現地災害対策本部を設置するなど、全庁的に対応する体制を整えています。
また、これとは別に震度4以上を観測したときは、警戒本部を設置して、関係各課の職員が情報の収集や災害が発生する恐れがある箇所の警戒などに努めます。
その他市では、毎年、関係各課による実動的な訓練を防災訓練で行ったり、職員を緊急に招集する非常参集訓練を行ったりして、職員の災害への意識向上を図っています。
広域連携の体制を準備
市では、先の災害のように市のみで対応するのではなく、近隣自治体や県、国と協力して対応する体制を整えてきました。その中で、特に重要なのは、人命に関わるものです。
市消防本部では、県や岐阜大学と連携してヘリコプターを使い救急患者の搬送訓練を実施しています。 また災害を想定して、緊急へリポートとして市内19カ所を指定しています。このヘリポートは、草刈りなどの日常の管理はもちろんのこと、非常時には、車を乗り入れないことが大切です。
協働で防災リーダー育成
地域で行う防災活動を効果的に行うために、市防災研究会と協働で「市防災アカデミー」を開催して、防災リーダーの育成に取り組んでいます。 防災リーダーとは、平時には地域の防災訓練や研修のリーダーとして、災害時には、救援救護活動のリーダーとして地域の防災活動の中心となる方です。
内容は、市で起こりうる災害や、災害をイメージして立ち向かう力を身に付けるなど、防災全般を講義や実技を交えて学びます。
現在、市内には36人の防災リーダーが活動しています。

防災意識の普及と備蓄品
普段から地震に備え、市民への防災意識の普及と非常時を想定して備蓄品を準備しています。
市では、いざというときのため、市内の各地域に、右のとおり食料や毛布などを備えています。食料は、9200食を用意し、簡易トイレは、175基。毛布は、約5300枚を備えています。先の震災では、この備蓄品から、アルファ米などを東北の相馬市などへ送りました。
多くの市民が防災を学べる「学習施設」を、市消防防災センターに整備しています。この施設は、年間を通じて受け付けており、無料で利用できます。主に、災害の事前準備による減災対策方法や防災に関する各種講演会の開催など、防災の教育や情報の提供を行っています。
学習設備を核に、日ごろから市民へ防災意識の普及に努めています。
小学校など耐震化が完了
未来ある子どもたちを災害から守るために、学校などでは、地震に向けた準備をしています。
市内の幼・保育園では、地震などを想定して、毎月、避難訓練を実施。地震発生時に、子どもたちがパニックにならないように避難訓練を実施しています。また本年度末には、市内の幼・保育園と小中学校40校全ての校舎で耐震化工事が完了します。
ハードとソフトの両面から、地震から子どもたちを守る準備を整えています。

(写真)武並小の耐震化工事が市内最終となる
市が管理する主な防災備品
市では、市内15カ所に保管してある防災備品を、緊急時に皆さんが取り出して使用できるよう順次、鍵を自治会長などに預けていきます。
《主な防災備品》
・簡易トイレ175基、毛布5,289枚
・油圧ジャッキ46個、鉄線切43本、バール182本、スコップ184本、土のう袋15,550枚
・ミネラルウオーター492本、アルファ米9,200食
・投光器40台、非常用ろうそく800本
・防じんマスク300個、三角巾240枚など

(写真)包食袋での炊き出し訓練
◆避難 地震が起きたら・緊急の行動方法(現実)
地震発生時の対処法
●頭を何かで守る
●揺れたら動かない
●電気やガスを確認
●屋内でも靴を履く
●みんなで避難する
●原則、歩いて避難

(写真)恵那北小学校で行われた防災訓練で災害用伝言ダイヤルの使い方を学ぶ
避難は冷静さが大切
しっかりと地震の準備を行っても突然襲ってくる地震には、誰もが戸惑ってしまいます。
地震が起きたときに大切なことは、落ち着いて行動することです。まずは自分の命を守るために安全な場所に避難してください。
地震が発生したら、自分の身を守り、その後に、ガスの元栓を閉め電気ブレーカーを切って、非常持出品を手に避難します。ガラスなどが、飛び散っているので、靴などで足を守ります。テレビやラジオで正確な情報を得てください。子どもが学校などにいれば迎えに行き、家を空ける場合は、行き先を書いて、目立つ場所に残します。数時間のうちには、自主防災隊長か自治会長へ安否と被害の状況を報告してください。
避難場所は、地域で定めた1次避難場所です。家に住めなければ、市指定の2次避難場所に移動します。
正確な情報を収集する
緊急地震速報は、最大震度が5弱以上と推定された場合に、各家庭のテレビやラジオからサイレン音が流れます。この速報は、震源地の観測データを解析して、各地の揺れの到着時間や震度を推定して、可能な限り素早く知らせるシステムです。この速報を聞いたら、直ちに避難してください。
災害伝言ダイヤルを活用
大規模災害が起きると、家族などの安否確認で電話がつながりにくくなります。災害時の安否確認は、NTT西日本の災害用伝言ダイヤル「171」や各携帯電話会社の災害用伝言サービスを活用してください。
「171」は、毎月1日、15日が体験日。使い方を確認しましょう。
(1)ガイダンスに従い、「録音は1」、「再生は2」を選ぶ。
(2)被災した人の自宅の電話番号を市外局番からダイヤルして、メッセージを録音したり聞いたりします。
◆検討 計画を見直す・万全の準備体制(検証)

(写真)防災計画の重点項目「家具転倒防止」についての説明を受ける(明智町)
想定を大幅に変更
市では、現在、医師会や市自治連合会、恵那警察署、中部電力、NTT、市社会福祉協議会などをメンバーとした防災会議で地域防災計画の見直しを行っています。
東日本大震災以降、行政関係者はもちろん、市民の方々からも「想定外を盛り込んだ計画、対策を講じるべきだ」との意見が多数寄せられています。
市では、本年度、最大震度7が市内全域を襲った場合の被害を想定して、県の防災計画などと調整を図りながら見直しを行っています。見直す主な項目は、予防対策や応急対策、復旧対策です。
予防対策の中には、避難場所の見直しや変更など、直接、皆さんに影響があるものも含まれています。これは、自治会で決めている1次避難場所、市の指定避難場所である2次避難場所を防災訓練までに選定するというもの。
本年度の防災訓練では新たに選定した避難場所に避難して、「本当にこの避難場所で安全なのか」を皆さんに検証していただきます。検証の結果は、地域防災計画などにも反映させていきます。
地域防災計画は、「行動に移せてこその計画である」との考えから、防災会議では「自助・共助・公助」の観点で防災行動計画の作成に取り組んでいきます。

(写真)防災会議では各分野の視点で防災を議論
●インタビュー

防災情報課
門野幸次朗課長
災害に強いまちづくりを
東日本大震災を受け、市の防災計画を一から見直しています。想定外の対応も考えていきます。
東海地震や東南海地震が発生する確率が高いことから、地域の皆さんとこれからの対応をしっかり考えていかなければなりません。
本市の安心、安全につながるような計画にし、災害に強いまちづくりを進めていきます。
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